暴走する脳

    投稿日:2014-12-04投稿者:

    おはようございます。
    スポーツドクターの辻秀一です。

     

    ライフスキルを育んで行く中で
    基礎になるのは、
    「意味付けに気付く」ことと
    「感情に気付く」ことですが、
    この「感情」に気付く能力が
    衰えているのを感じます。

    私たちは主に認知脳を使って生きています。

    この認知脳は外界の状況を
    把握することには長けていますが、
    自分の心を見つめるための
    ものではありません。

    ですので、認知的に
    感情を理解しようとしても、
    実はうまくいきません。

     

    ちなみに、認知脳は外界の状況を
    認知するための脳ですが、
    自分自身の状況を認知するための
    脳でもあります。

    例えば、疲れているとか
    眠いなどの体の状態がありますが、
    これは心の状態ではありません。

    感情をリストアップしてくださいというと、
    体の状態を仰る方います。

    暑い、寒い、眠い、疲れたなどは、
    私たちが意味付けした体の状態です。

    ですので、これらは感情ではありません。

     

    また、考えを述べる方もいます。

    「休みが欲しい」と思っている、
    「給料を上げて欲しい」と思っている、
    「疲れた」と思っているなどは思考です。

    思考ではありますが、
    これは認知的な思考です。

    認知脳が意味付けをしながら
    考えていることですので、
    ライフスキルの思考とは違いますし、
    感情でもありません。

     

    とにかく、私たちはこの
    認知的な思考は得意ですが、
    ライフスキルの思考には
    慣れていないため、
    感情に気付く力が弱くなっています。

    そして、ライフスキル脳ではなく、
    認知脳で自分の心の状態を
    理解しようとするため、
    ますますとらわれてノンフローになります。

    すなわち、感情に気付くつもりが、
    出来事や状況を認知で思考し続けるため、
    そこには意味付けによる
    ゆらぎやとらわれが生まれ続けるのです。

     

    認知の思考は、私たちが
    生きていく上で必要なものですが、
    同時にゆりぎやとらわれをつくる
    リスクも備えています。

    これを「認知の暴走」と呼んでいますが、
    認知の暴走を認知でなんとかしようとしても、
    ますます暴走が激しくなってしまいます。

    ですので、認知脳とは別の脳である
    ライフスキル脳を同時に働かせることで、
    この認知の暴走を沈静化し、
    認知脳の本来のパフォーマンスを
    発揮できるようになるのです。

     

     

    P.S.
    感情に気付く、意味付けに気付くなど
    ライフスキルを育むための方法は
    こちらで学べます

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