投稿日：2013-01-17投稿者：
こんにちは。
スポーツドクター辻秀一です。
なぜ正月はスポーツが多いのでしょうか。
もっと普段からやればいいなと思うぐらい。
年の初めに観て何かを得たいからでしょうね。
元日のニューイヤー駅伝から始まり、
サッカー天皇杯、箱根駅伝、高校サッカー、
大学・社会人ラグビー、アメフト、
そして、わたしの大好きなバスケなども
全国大会目白押し。
なぜ正月にこれだけ多くの
スポーツが開催され観るのでしょう？
こと箱根駅伝に関しては、
普段全然スポーツに興味ない
人もテレビに釘付けになりますよね。
箱根駅伝はライフスキルてんこ盛り
だからでしょうか。
ご存知な方も多いと思いますが、
あれ自体は全国大会ではなく
関東の大学の大会です。
言ってみれば、いち地方エリアの
大会なわけです。
全国一位を決める大会のように
勘違いしがちですが、いわば
メディアが大きく創りあげた大会です。
ですから、あそこに出場する
ランナーにとってはいろいろな
ことが意味つき始めるわけです。
一人で認知の暴走していくことが
多いと思います。
沿道であれだけの数の応援が
されることと全国放送のテレビに
出演し、ラジオ、新聞に
活躍が載るわけですから。
一生に一度の想い出として
テレビに映り、カッコイイ
ところを見せたいという気持ちが
誰しもが働きますからね。
そして自分でタスキが途切れるような
ことだけはテレビの前で見せたくない。
仲間のためにも抜かれるわけには
絶対にいかない。まして抜かれる
ところをテレビで放送されたくない。
トップとの差を縮めるためには
どれくらいのペースで行かなければならない。
４年生で箱根を走るのが最後なんだ。
などなど
もういっぱい認知の意味だるまに
なっていくと、どんどんノンフローに
なっていきます。
だから普段の練習ではあり得ない
痙攣を起こしたり、腹痛や呼吸困難に
陥ることがあります。
それがまた観ている人には筋書きのない
ドラマとなっておもしろいわけですが。
そこで普段通りの力を出しきれている
連中というのは、単純にその瞬間、
今に生きていることだったりとか、
一生懸命を楽しめていることだったりとか。
出なかった仲間が応援していたり、
走ることに感謝していたりしていると思います。
観ている人にとっては、テレビの前で
応援することで観ている人の気分が
正月早々から良くるので毎年欠かさず
観たくなるのでしょう。
絶対テレビの前で応援している声は
選手に届きませんから何かスポーツに
触れて生きる信念、生きるヒントを
得る素材として、知らず知らずのうちに
スポーツが人の中にあるのではないかと思います。
まして沿道で応援する人は旗振って
一瞬目の前を通リ過ぎるだけですからね。
本当に一瞬です。めちゃくちゃ速いんです。
あの一生懸命やっている人を応援する
ということが人間の営みに必須だ
という証拠なんでしょう。
だって理由や理屈で考えたら
寒い現場まで行かないですから。
家でずっと見ていた方がよっぽど
応援している気になります。
解説もあるし、温かいし、
食べものもあるでしょうし。
やっぱりスポーツを観ることによる
元気、感動、仲間、成長を享受したい
という部分と、応援のライフスキルを感じたい。
もしくは選手自体のライフスキルに触れたい。
だからこそ、それは理屈とかを超えて
いるところなんでしょう。
年始はいろんなことに理屈を
超えて存在している。
なぜお雑煮なのか、正月は？
と分析しないと、納得しないので
食えないとかやってないでしょう。
なんか縁起がいいからとか、
昔からの習わしだからとかで
そういうものだと思ってやっているでしょう。
でも、それが文化じゃないですか。
初詣も含めてですけど、多くの人が
お祈りに行いきますよね。
理由や理屈ではない文化を
感じる正月。
そこにスポーツが多いっていうのは、
いいですね。
それは人間の営みにとって
必要だからでしょう。