投稿日:2012-05-21投稿者:岡田
世界中の山を歩き、”人はだれしも自然人であれ”、
というメッセージを世に送り続ける、ロングトレイルの第一人者、
加藤則芳さんの紹介番組をNHKのEテレで見ました。
加藤さんは、2年前に筋萎縮性側索硬化症(ALS)を発症、
ご本人が「残酷なほど」と表現するくらい進行が速く、
いまはベッドと車椅子での生活を送っています。
ロングトレイルとは、直訳すれば、”長い山道”。
山頂を目指すのではなく、自然を満喫しながら、
歩くことそのものを楽しむ山歩きスタイルのことだそうです。
数百キロから、3000キロを超す超ロングトレイルまで、
現代社会とはさよならして、自然の中だけで過ごす長い時間。
とてつもなく大きな自然に抱かれている、
とてつもなく小さな自分を感じながら歩き続けるという体験は、
実際に歩いた人にしかわからない、さまざまな感覚に満ちていることでしょう。
番組では、加藤さんのこれまでの人生、いまの心のうちなどが映し出されますが、
私が一番感動したのは、3日後にアメリカのトレイルへの調査に
出発するという後輩の青年を、加藤さんがあたたかく送り出すシーンでした。
(録画していなかったのでセリフはうろ覚えですが、)
自分のお下がりのバックパックを背負う青年の姿を見て、
「かっこいいなあ。ウエストのベルトをしめると、
自分の体そのもののようになるんだよな」と目を細める加藤さん。
友人たちが集まった壮行会では、ベッドに横たわったまま乾杯の音頭をとり、
「ぼくと一緒に歩いているような気持ちで歩いてください。ぼくもそういう気持ちでいます」
「たくさん困難があると思うけど、それも含めてのロングトレイルだから」と励まします。
そして、加藤さんの言葉を噛みしめている青年に、
「二人分だからね、重いよ」とやさしく笑いかけます。
自分の足で世界を自由に歩き回っていた加藤さんが、
後輩に思いを託すその言葉には、
ねたましさのようなものはまるで感じられず、
純粋に、祝福と応援と激励だけが込められていました。
加藤さんは、重い病を患ってさえ、
どうしてこんなにまっすぐで美しい心を持ち続けられるんだろう。
それはきっと、加藤さんが、病気になるまで
毎日を精一杯生きてきたからではないでしょうか。
フローな人生を送ってきたから、病気にとらわれず、
いまでもフローでいられるんだと思います。
人生、いつ、何が起こるかわかりません。
毎日をフローで生きることが、これからのフローを生み出す、唯一の方法です。
“今”に生きることは、永遠に続くフローへの道。
いつでも、どこにいても、何をしていても、”今”はあって、
“今”から逃れることは、誰にもできないのです。
だから、あなたの”今”と、とことん向き合うことが大切なんです。
人生は、まさにロングトレイルのようなもの。
周りの草花を愛でながら、フローで歩き続けよう。
雨や寒さ、ゴツゴツの岩場も知恵と工夫でしのぎつつ、
それさえ楽しみながら進んでいこう。
踏破したときには、「ああ、楽しかった。
もう一度歩きたい」、迷わずそう言えるような道中にしよう。
あなたはいま、どんな山道を歩いていますか?
そして、その一歩一歩を、楽しんでいますか?
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