投稿日:2013-11-18投稿者:
こんにちは。
スポーツドクターの辻秀一です。
テニスのクルム伊達公子選手を
ご存知でしょうか?
女子テニスのランキングでは、
シングルス最高 4 位、
ダブルスは最高 33 位
という輝かしい成績を
収めていらっしゃいます。
シングルスベスト 10 入り自体が、
アジア人としては史上初なので、
その凄さがお分かり頂けるかと思います。
1 度は引退されたものの、
2008 年には 12 年振りに
現役に復帰されました。
現在 42 歳だそうです。
テニスには詳しくなくても、
伊達公子選手のことをご存知の方は
多いのではないかと思います。
先日彼女がニュースに
取り上げられていたのですが、
その内容がとても興味深いものでした。
7000 人の前での試合。
プレー中のミスに対する観客の反応に
「シャラップ!」と叫んだというのです。
他にも「ため息ばっかり!」と
大きな声を張り上げたということが
記事になっていました。
観客は選手のプレーに歓声を上げたり、
拍手を送ったり、ため息をついたり、
苦言を呈したり、様々な反応をします。
そのような反応に、選手は常に影響を受け、
そしてプレーを左右することになります。
おそらく、伊達選手も、
観客の反応が気になってしまい、
集中力を欠いたり、自分のミスにとらわれて
イライラしたりしたのではないでしょうか。
同じように、私たちは
常に周りから影響を受けています。
他人の表情や言葉の中身、
イントネーションやニュアンスなどは、
常に私たちの心にゆらぎや
とらわれを産み出します。
そして、環境や他人、
または過去の経験などを思い出しては、
いつまでもそのことに心が支配され、
パフォーマンスが下がり、
ストレスに悩まされたりしてしまいます。
伊達選手のような、
世界クラスの一流選手ですら
まったく影響を受けないということは
不可能なのです。
だからこそ、大切なことは、
私たちは誰しも、環境や他人、
過去の経験などの影響を
常に受けていることに気付くことなのです。
他人の評価や、自分が自分に下す評価、
ニュースなどの出来事や誰かの意見。
これらに自分の心がどんな反応をして、
どのように意味付けをしているのか、
それに気付くことが大切です。
この気付き無しには、
フローになることはできません。
自分の能力を発揮することはできないのです。
気付くだけで、私たちの心は、
ちょっとだけとらわれから
自由になることができます。
自由になれば、自分の心を
自分で決めていけるようになるのです。
とにかくまずは、気付くことから始めましょう。
ちょっと自分の心に目を向けてみて、
毎日少しずつ気付く機会を増やしていく。
ぜひ、その気付きを周りの人に
シェアしていって欲しいと思います。