投稿日：2013-12-18投稿者：
こんにちは。
スポーツドクターの辻秀一です。
10月にさかのぼりますが、
わたしが年に3 回ほど行っている
ワークショップを開きました。
このワークショップは、
金曜の夜から始まり、
土・日と終日に渡り開催されます。
3 日間で合計 24 時間に
わたるワークショップです。
毎回 20 名ほどのメンバーで
ライフスキルという、
自分の心を自分で
マネジメントするための
脳のスキルをトレーニング
しています。
毎回参加者は実に多彩で、
経営者の方や主婦の方、
OL、サラリーマン、
フリーランスや学生の方など
10 代から 60 代まで、
住んでいる場所も様々です。
今回参加したある 20 代の経営者は、
このワークショップの最後に、
とても衝撃を受けたという感想を
述べてくれました。
彼は九州の田舎から成功を夢見て上京し、
1 度は就職するものの 10 ヶ月で退職。
その後すぐに起業したそうです。
成功哲学と呼ばれるものも学んでいて、
ナポレオンヒルの「思考は現実化する」
なども何度も読み返したそうです。
その彼は、今までプラス思考や
自己責任の考え方などで
頑張ってきたとのことですが、
それらが全て役に立たないと
思えるほどの衝撃的なスキルだった
と言っていました。
わたしは決してプラス思考を
やめろとは言っていませんし、
プラス思考で結果を出している人は
たくさんいるので、何も捨てる必要は
ないと思っています。
わたし自身も、プラス思考で
乗り切ろうとすることもあります。
しかし、ひとつ言えるのは
プラス思考でストレスを抱えている人、
自責の念で自分のクビを締めている人が
結構いらっしゃるということです。
プラス思考の人は、
電車に乗り遅れれば、
乗っていたら事故に
あったかもしれないと考えます。
乗り遅れたことで
誰かに出会うかもしれないとか、
乗り遅れたことにも
意味があるんだと考えます。
財布を失くしても
失くしたことはラッキーだとか、
何か意味があるんだとか考えます。
本当はショックで、どうしようもなく
動揺しているのに、です。
プラス思考がトレーニングされている人なら
このような思考がストレスなく
できるのかもしれません。
しかし、多くの人は
ここまでプラスになるのは
難しいでしょう。
自分の気持ちに嘘をついて
ますます苦しくなってしまいます。
最近流行の自己責任もそうです。
何もかも自分の責任
という考え方がありますが、
ちょっと無理があるとは
思いませんか？
株価が下がったのは自分のせい？
地震が起きたのは自分のせい？
外国で暴動が起きたのも
自分のせいでしょうか？
本当に真実を見ている人は、
物事にはプラスやマイナスという
“ 意味の付いていること” があるのを
分っています。
あるのはただ事実のみで、
プラスもマイナスも、
人間が勝手に付けた意味だからです。
株価が下がったのがあなたの
原因かどうかは分りませんが、
その事に「大変だ」とか
「最悪だ」「チャンスだ」
などの意味を付けているのは、
少なくとも自分自身なのです。
そして、そのような意味付けを
してしまうことによって、
心に動揺や焦り、不安感が生じて
できることもできなくなるのです。
20 代の彼も、このことに気付いたので、
今までみたいに無理やりプラス思考を
することなく、自分の心の安定化を
図っていけるのだと確信したようです。
もちろん、テクニックではないので、
すぐにできるようにはなりません。
スポーツのスキルと同じで、
練習を繰り返す必要があります。
ですが、時間をかけてスキル化するだけの
価値のあることだとは思いませんか？