わたしと仕事、どっちが大事?

    投稿日:2014-01-23投稿者:

    おはようございます。
    スポーツドクターの辻秀一です。

     

    人間というのは不思議なもので、
    あるものが大事だと言えば、
    もう一方は大事じゃない、
    と感じてしまうようです。

    ちょっとイメージしてみてください。

     

    例えばわたしの目の前に
    あなたと、あなたの友人の A さんが
    2 人並んで座っているとしましょう。

    2 人とも同じ営業職で
    成績・数字も同じくらいです。

    そこでわたしは、あなたの友人の A さんへ
    このように言葉をかけます。

     

    「 A さん、頑張ってますね」
    「 A さん、素晴らしいですよ」
    「 A さん、いい感じです」

     

    そうすると、隣に座っているあなたは
    どのように感じるでしょうか?

     

    「わたしは頑張れてないの?」
    「わたしはダメなの?」
    「わたしは悪い感じなの?」

     

    おそらくこのように感じるのでは
    ないでしょうか?

    どうでしょう、
    あなたのイメージの中では
    いかがでしたか?

     

    しかし実際に多くの人が、
    このように感じるのです。

    特に生物学的にも、
    女性はこの傾向が強いようです。

    「仕事とわたし、どっちが大事なの?」
    という具合です。

     

    人間の脳は比較をしたがります。

    比較をしたがりますので、
    相手に投げかけられている言葉と、
    自分へ投げかけられている言葉を
    比べてしまうのです。

    例えば、A さんの事が好き
    と言えば、イコール
    A さん以外は好きじゃない
    というように捉えてしまうのです。

     

    しかし、これらは事実ではありません。

    わたしは A さんに
    「頑張ってますね」と言った、
    ただそれだけなのです。

    しかし、それを隣で聞いているあなたが、
    なんとなくイヤな気分になるのは、
    そこに、「自分は頑張ってないのか」
    「自分はダメなのか」と、勝手に
    意味を付けてしまっているからなのです。

     

    ただし、それは仕方のないことです。

    人である以上、比較してしまいます。

    それが認知の脳が発達した
    人間の宿命とも言えます。

    ですので、その機能に
    反発する必要はありません。

     

    ですが、そのままですと、
    やはりパフォーマンスは落ちたまま。

    イヤな感情を抱えて機嫌が悪いまま
    物事にとりかからなければ
    ならないでしょう。

    ですので、この認知脳とは別に、
    自分の心をマネジメントする機能、
    すなわちライフスキル脳を磨きましょう、
    というわけです。

     

    認知の脳を変えるわけではありません。

    比較しなくなる自分とか、
    嫉妬しなくなる自分とかを
    つくるわけではないのです。

    変わろうとするのではなく、
    別の機能を付け足す感じです。

    比較したり、嫉妬したりする認知の脳とは
    別の脳を新たに加える感じです。

     

    心をマネジメントするのは
    ライフスキル脳の役割、
    行動の内容を決めるのは
    認知脳の役割です。

    他の言い方をすれば、
    パフォーマンスの内容は認知脳、
    パフォーマンスの質はライフスキル脳
    とも言えます。

    そして、わたしは
    ライフスキルの専門家なので、
    ライフスキルが大事です。
    ライフスキルを磨きましょう。
    と常々言っています。

    しかし、そうすと認知脳は
    比較をしたがるので、

    「認知脳は大事じゃないのか?」

    となってくるわけです。

     

    これもまた厄介な認知の暴走なのですが・・・

     

    どっちが大事とか、そういう話ではなく、
    どちらも大事でどちらも必要なのです。

    それぞれ役割が違うのですから。

    ですので、当然パフォーマンスを
    高めたければ、認知ももっと
    磨かなければなりませんし、

    普段意識することのないライフスキルは
    より一層磨かなければ、バランスが
    悪いですよね、という話なのです。

     

    二元論的に考えるのではなく、
    ぜひバランスを意識して
    脳のトレーニングをしていって
    頂きたいと思います。

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