投稿日:2014-12-25投稿者:
おはようございます。
スポーツドクターの辻秀一です。
先日ある方から、
集中するためにはどうしたらいいですか、
と聞かれました。
そもそも集中とはどのような状態なのか?
多くの人は、何か 1 つのことや
何か 1 点にフォーカスオンしている状態を
集中と思っています。
周りのことに脇目もふらず、
一心に目の前のことだけを見ている状態、
目の前のことだけに取り組んでいる状態だと
思っているようです。
しかし、優秀なゴルファーは
ボールを凝視したりはしないと言います。
いわゆる一点だけに集中しすぎると、
周りが見えなくなってしまうのです。
周りが見えなくなっている状態は
とらわれですから、
決して高いパフォーマンスが
発揮されているわけではありません。
集中とはリラックスも共存して
始めて高いパフォーマンスとなるのです。
そのために必要なことは 2 つです。
まずは、何をするかを明確にする
認知の脳の働きです。
フェイアウェイまでどれくらいの距離で、
池はどの位置にあり、風向きや強さはどうで
と考えて、どうスイングするかを決める。
この認知の脳の働きが必要です。
しかし、認知の脳は常に外側を向いているため、
とらわれをつくってしまいます。
今日の風はやばい、
このコースは難しい、
1 打目は最悪だったなどと、
勝手に意味付けをしてしまいます。
この意味付けがあると、
心はノンフローになるので、
何をするかを明確にできません。
認知脳の働きも落ちてしまうからです。
集中している状態とは、
決して周りが見えなくなってしまい
視野が狭くなるという状態ではなく、
心の質をしっかりと担保し、
余裕やリラックスが共存している状態のことです。
これをつくるためには、もう 1 つ、
どんな心でという質の部分を担保する
ライフスキル脳を働かせる必要があります。
認知の脳が何をするかを明確にし、
ライフスキル脳で心の質をフローにする、
この 2 つが揃って真の集中状態に
入ることができると考えます。
みなさん集中状態に対してのイメージも、
とにかく外に外にとなっているので、
もっと内に内に向かっていく脳を
鍛えていかないといけません。
でなければ、結局は外側へのとらわれが
ただ強力になっていくことを
集中だと思ってしまいます。
それは盲目的な状態でしかありません。
フローになると視野が広がる
と言っている方もいますが、
周りをちゃんと見ること、
見るけれどもそれにもっていかれないこと、
このバランスが大切なのです。